夏の繁忙期に入り、エアコン工事の依頼が増えることは、個人事業主や工事会社にとって大きなチャンスです。
施工件数が増えれば売上も伸びます。しかし、売上が増えているにもかかわらず、手元の資金に余裕がなくなることがあります。
その理由の一つが、工事で使用する部材の先払いです。
冷媒配管、電線、ドレンホース、化粧カバー、架台、支持金具など、エアコン取付工事ではさまざまな部材を使用します。工事代金が入金される前に部材を仕入れる形では、施工件数が増えるほど先に支払う金額も大きくなります。
エアコン工事業者さんが業務委託先を選ぶ際は、工事単価や仕事量だけでなく、部材費をいつ、どのような方法で支払うのかまで確認することが大切です。
売上が増えてもすぐに現金が増えるとは限らない
エアコン工事を完了した時点で売上は発生しますが、その日に工事代金が入金されるとは限りません。
業務委託の仕事では、月末に工事内容を締め、翌月の決められた日に入金される形が一般的です。
一方、工事で使用する部材は、現場へ向かう前に準備しなければなりません。工事代金を受け取る前に部材費を支払う場合、入金よりも支出が先になります。
施工件数が少ない時期であれば、先に必要となる金額も限られます。しかし、夏の繁忙期に一日数台のエアコン工事を担当すると、使用する部材の量が一気に増えます。
帳簿上は大きな売上が計上されていても、まだ入金されていなければ、そのお金を次の部材購入や車両経費に使うことはできません。
売上と手元にある現金は同じではありません。
仕事を増やすときは、予定している売上だけを見るのではなく、入金までにどのくらいの部材費が必要になるかを考える必要があります。
施工件数が増えるほど先に必要な資金も増える
エアコン工事の部材費は、一件だけを見れば大きな負担に感じないこともあります。
しかし、一日に複数台の施工を行い、それが一カ月続けば、先に準備する部材の量は多くなります。
標準工事で使用する配管や電線に加え、現場によっては配管延長、化粧カバー、高置台、壁面金具、二段置き架台なども必要です。
部材を使用した分は追加工事として売上に反映されますが、実際に工事代金が入金されるまでには時間があります。
工事件数が増えること自体は良いことです。しかし、仕入れに必要な資金が足りなければ、仕事の依頼があっても十分な部材を準備できなくなる可能性があります。
「売上を増やすために仕事を受けたいのに、部材を購入する資金が足りない」という状態になれば、事業を拡大する機会を逃してしまいます。
独立直後は部材費の負担を感じやすい
エアコン工事で独立したばかりの時期は、車両、工具、脚立、真空ポンプ、トルクレンチ、養生用品など、工事を始めるために多くの費用がかかります。
第二種電気工事士などの資格取得、各種保険、車両の維持費も必要です。
独立準備でまとまった資金を使った直後に、毎日の部材費まで先払いすることになると、手元の資金に余裕がなくなりやすくなります。
仕事は順調に入っており、売上も伸びている。それでも入金前に支払いが集中すれば、不安を感じることがあります。
独立後に安定して仕事を続けるには、いくら稼げるかだけでなく、売上が入金されるまでの期間をどのように乗り切るかを考えなければなりません。
部材費の精算方法は、独立したばかりの業者さんにとって特に重要な条件です。
部材を多く持ち過ぎることにも注意が必要
繁忙期に部材を切らさないよう、あらかじめ多めに仕入れておく業者さんもいるでしょう。
配管、電線、ドレンホースなど、使用頻度の高い部材を準備しておけば、急な追加工事にも対応しやすくなります。
一方で、必要以上に仕入れれば、その分だけ手元の資金が在庫へ変わります。
倉庫や車両に部材があっても、工事で使用して売上になるまでは現金として使えません。特殊な色や形状の化粧カバー、使用頻度の低い架台などは、すぐに使用するとは限りません。
在庫を持つこと自体が悪いわけではありませんが、どの部材がどのくらい必要なのかを把握せずに仕入れると、資金が部材のまま残ってしまいます。
工事件数が増える時期ほど、部材不足を防ぎながら、過剰な在庫を持たない管理が必要です。
売上から部材費を相殺する仕組み
部材費を売上から相殺する仕組みでは、業者さんが工事前にすべての部材代を現金で支払う負担を減らせます。
工事で使用した部材の費用を、その後に支払われる工事代金から差し引くため、入金前に必要となる現金を抑えやすくなります。
たとえば、繁忙期に工事件数が増え、使用する配管や電線が多くなった場合でも、部材費を先にまとめて支払う必要がなければ、手元の資金を車両経費や事業運営に残しやすくなります。
売上相殺は、部材費が無料になる制度ではありません。使用した部材の費用は、工事代金から正しく差し引かれます。
メリットは、部材費を支払う時期と工事代金を受け取る時期の差を小さくできることです。
支出だけが先に続く状態を抑えられるため、施工件数を増やしやすくなります。
相殺内容を確認できることも重要
部材費を売上から相殺する場合は、何にいくら使ったのかを確認できることが大切です。
使用した部材、数量、金額が分からないまま差し引かれていれば、精算内容が正しいか判断できません。
業者さん側でも、いつ、どの部材を購入し、どの現場で使用したのかを記録しておく必要があります。支払明細が届いた際に自分の記録と照らし合わせれば、数量や金額の違いに早く気づけます。
工事単価が明確でも、相殺される部材費が分かりにくければ、実際に手元へ残る金額を予測しにくくなります。
業務委託先を選ぶ際は、部材を売上相殺で購入できるかだけでなく、相殺内容を確認できる仕組みになっているかも確認したいところです。
部材費の精算方法で働きやすさが変わる
エアコン工事の仕事量が増えることは、売上を伸ばすために必要です。
しかし、工事件数が増えるほど部材費の先払いも増える環境では、仕事が忙しい時期に資金繰りが苦しくなることがあります。
工事単価、支払いサイクル、部材費の精算方法は、それぞれ別の条件ではありません。実際に仕事を続けるうえでは、すべてが資金の流れに関係します。
当社では、工事に必要な部材費を売上から相殺できる仕組みを整えています。
部材を準備するための先出し費用を抑え、繁忙期に工事件数が増えたときも、業者さんが動きやすい環境をつくるためです。
エアコン工事の経験を生かして仕事を増やしたい方や、独立後の資金繰りに不安がある方にとって、部材費の支払い方法は取引先を選ぶ重要な判断材料になります。
売上の大きさだけではなく、入金と支出のタイミングまで考えられる環境が、長く安定して仕事を続けることにつながります。
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