エアコン工事で石綿調査が必要かどうかは、かなり大事な話です。しかもこの話は、「大きな解体工事だけの話でしょ」と思われがちですが、実際はそうではありません。エアコン工事のような比較的小規模に見える工事でも、建物の一部に手を入れるなら石綿の事前調査が必要になる場面があります。今の実務では、工事金額が小さいから不要、短時間で終わるから不要、という考え方は通りません。原則として、建築物や工作物の解体・改修工事では、工事前に石綿の使用の有無を調べる必要があります。
では、エアコン工事で何を基準に考えればいいのかというと、いちばん分かりやすいのは「建材を傷めるかどうか」です。つまり、ただエアコン本体を入れ替えるだけなのか、それとも壁や天井、ボード、外壁材などに穴を開けたり、開口したり、削ったりするのか。この違いがかなり大きいです。エアコン工事は機械を付ける仕事に見えますが、実際には配管を通すための穴あけ、隠ぺい配管に伴う開口、天井裏へのアクセス、既設配管ルートの変更など、建物側に手を加える場面が少なくありません。そういう工事は、石綿調査が必要になる可能性が高いと考えるべきです。
特に注意したいのが、壁への穴あけです。ここは現場で勘違いしやすいところですが、厚生労働省の資料では、釘を打つ、釘を抜くといった極めて軽微な損傷しか与えない作業は例外的な扱いがある一方で、電動工具などを使って壁面等に穴を開ける作業は、その「軽微な損傷」には当たらないとされています。つまり、エアコンの新設工事や配管ルート変更でコア抜きや穴あけを行う場合は、「小さい工事だから大丈夫」ではなく、事前調査が必要な工事として考えるのが正しいです。ここはかなり重要です。エアコン工事の現場では、まさにこの穴あけ作業が頻繁に出てくるからです。
たとえば、壁掛けエアコンの新設工事で、室内機を取り付けて配管を外へ出すために外壁へ穴を開けるケースがあります。これは分かりやすく事前調査が必要になりやすい工事です。また、既設の穴位置が合わずに穴を開け直す場合や、隠ぺい配管工事で天井や壁の一部を開口する場合、天井埋込形のエアコンで点検口まわりや天井材に手を入れる場合も同じです。表面的には「エアコン工事」でも、実際には建材を触っている以上、石綿の有無を確認しないまま進めるのは危険です。古い建物では、見た目だけでは石綿含有建材かどうか判断できないものも多いため、経験だけで決め打ちするのは避けたほうがいいです。
逆に、不要になりやすいケースもあります。たとえば、既設の配管穴がそのまま使えて、既設のルートもそのまま活かせて、壁や天井、内装材、外装材に一切加工を加えない単純な入替工事です。室内機と室外機を交換し、既存の開口部や既存ルートの範囲内で作業が完結するような工事であれば、建材を損傷する改修工事に当たりにくく、石綿調査の対象外になる可能性があります。ただし、現場で配管穴の拡張や化粧カバーのための追加固定、既設材の一部切欠きなどが発生した途端に話が変わることがあります。だから実務としては、「最初は単純交換のつもりだったが、建材に手を入れることになった」という流れをかなり警戒したほうがいいです。
さらに大事なのが、建物の築年数です。石綿の製造・使用等が禁止されたのは平成18年、つまり2006年9月1日以降で、この日以降に着工した建築物や工作物は、原則として石綿含有なしと判断できる考え方が示されています。言い換えると、それ以前の建物は石綿含有建材の可能性を考えて調べる必要があるということです。エアコン工事の現場では、戸建て、マンション、店舗、事務所、工場、倉庫など幅広い建物に入りますが、築年数が古い建物ほど慎重に見たほうがいいです。特にリフォーム歴が複雑な建物は、部分的に新しい建材と古い建材が混在していることもあるため、「この建物は見た感じ新しそう」で判断するのは危ないです。
また、ここでよく誤解されるのが、「報告が不要なら調査も不要なのでは」という考え方です。これは別物です。一定規模以上の工事では事前調査結果の報告が必要になりますが、報告義務がない小規模工事でも、事前調査自体は実施しなければならないとされています。建築物の改修工事では、請負金額が税込100万円以上になると電子報告の対象になりますが、100万円未満だから調査をしなくていい、という意味ではありません。エアコン工事は100万円未満の現場も多いので、ここを勘違いするとかなり危ないです。小規模工事でも、建材を傷める改修作業なら事前調査の考え方が必要になります。
事前調査のやり方についても、昔より厳しくなっています。現在は、設計図書などの文書による調査と、現地での目視調査の両方を行うのが基本です。そして建築物の事前調査は、一定の要件を満たす者、たとえば建築物石綿含有建材調査者などが行う必要があります。つまり、現場の職人が経験則だけで「これは大丈夫そう」と判断して終わりにする時代ではないということです。2026年1月からは、一定の工作物についても資格者による事前調査が必要になっています。エアコン工事は建築設備まわりと関わることが多いので、建築物なのか工作物なのかも含め、対象の整理を曖昧にしないことが大切です。
エアコン工事の現場で実務的に判断するなら、まず「建物に手を入れるか」を最初に見るのがいちばん分かりやすいです。壁に穴を開ける。天井を開口する。ボードを切る。外壁材を削る。既設開口を広げる。こういった作業が入るなら、石綿調査が必要な可能性が高いです。反対に、既設穴をそのまま使い、既設ルートのまま、建材を傷めずに機器交換だけで完結するなら、不要になる可能性が高いです。ただし、現場で予定外の加工が出やすいのがエアコン工事の怖いところです。だから本当に大事なのは、「始める前にどこまで建物側に手を入れるかを確認しておくこと」です。ここが甘いと、作業中に判断がぶれてしまいます。
自分は、この石綿対応は今後ますます「知らなかった」で済まない分野だと思っています。エアコン工事は一見すると設備工事ですが、実際には建築材料に触ることが多い仕事です。だからこそ、石綿調査の考え方を他人事にせず、自分たちの工事内容に置き換えて理解しておくべきです。特に新設工事、隠ぺい配管、入替時の穴拡張、天井開口が絡む現場が多い業者さんほど、この知識は避けて通れません。現場での判断ミスは、施工品質の問題だけではなく、法令対応や安全管理の問題にも直結します。工事を安定して受け続ける業者ほど、こういう見えにくいルールを軽く見ません。むしろ、見えないところをきちんと押さえているから信用されるのだと思います。
要するに、エアコン工事で石綿調査が必要になるのは、「建物の材料に手を加える時」です。穴あけ、開口、切断、削り、拡張、こうした作業が入るなら必要と考える。単純な交換だけで建材を傷めないなら不要になる可能性がある。ただし、築年数が古い建物や、現場で追加加工が出そうな工事は特に慎重に見たほうがいいです。この線引きを現場ごとにきちんと持っておくだけでも、判断の精度はかなり変わります。エアコン工事を長く続けていくなら、施工技術だけでなく、こういう法令と安全の知識まで含めて強い業者になっていくことが大事です。
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