土壁のエアコン工事で起きたミス体験と学び

エアコン工事の現場は、物件ごとに状況が違うため、同じやり方が通用しないことが多々あります。その中でも特に手強いのが「土壁」の住宅です。昔ながらの日本家屋や古民家に多い構造で、一見するとしっかりしているように見えても、実際に工具を当てると崩れやすく、ビスも効きにくいという特徴があります。私自身、土壁の物件で工事をした際に痛いミスを経験し、それ以来施工方法を大きく見直すきっかけになりました。

最初の失敗は、室内機の背板を固定する作業でした。普段通りにビスを打ち込めば問題ないと油断していたのですが、土壁は内部に下地がなく、ビスを打ち込んでも全く効かず、周囲が崩れてしまいました。結果として壁がえぐれたようになり、背板がしっかり固定できない状況に。慌てて合板を持ってきて補強し、やり直しをしましたが、その分の時間が余計にかかり、お客様を長く待たせることになりました。工事は最終的に無事完了しましたが、「最初の段階で壁の状態を確認しておけば、こんなミスにはならなかった」と深く反省しました。

次に大きなミスをしたのが、穴あけ作業です。土壁は振動に弱いため、普通の振動ドリルをそのまま使うと周りの壁がポロポロと崩れていきます。実際、スリーブを通すために開けた穴が予想以上に広がってしまい、結果としてスリーブが安定せず、仕上がりが不格好になってしまいました。後からパテで補修をして何とか見た目は整えましたが、明らかに美観を損ねた状態で、お客様に説明する際も肩身の狭い思いをしました。この経験から、土壁に穴を開ける際は振動を抑えられるコアドリルを使うべきだと学びましたし、スリーブの位置を事前に慎重に検討する必要性を痛感しました。

さらに忘れられないのが、配管の固定での失敗です。通常の壁材ならサドルやビスでしっかりと固定できますが、土壁はもろいため、そのまま打ち込むと壁自体が欠けたり剥がれたりします。ある現場では、無理にビスを打ち込んだことで配管周りの壁が崩れ、補修に時間を取られてしまいました。今思えば、最初から補強材を用意し、壁の強度を確認しながら進めればよかったのですが、経験不足から強引に進めてしまったことが大きな失敗でした。

このように土壁の工事でのミスは、ほとんどが「通常工事と同じ感覚で進めてしまったこと」が原因です。土壁は特殊な素材であり、対策を講じていなければ必ずトラブルになります。私自身の経験を踏まえて言えるのは、まず「事前の確認がすべて」ということ。壁を叩いて音で強度を確かめる、下地の有無をチェックする、そして施工が難しいと判断した場合は合板補強を前提に準備する。このひと手間が、結果的には大きなトラブル回避につながります。

また、お客様への説明も重要です。土壁工事は時間がかかる場合が多いため、最初から「通常の壁と違い、補強作業が必要になることがあります」と伝えておくことで、工事が長引いても不信感を持たれにくくなります。実際に、失敗をした現場ではお客様に「思ったより大変そうですね」と言われ、冷や汗をかきながら説明した記憶があります。それ以来、事前に伝えるよう徹底した結果、お客様から理解を得やすくなり、トラブルも減りました。

さらに施工の工夫として、私は現在、土壁の場合は必ず補強用のコンパネを持参し、室内機の背板をそこに固定するようにしています。これによりビスが効かない問題は解決できますし、仕上がりも安定します。穴あけに関してもコアドリルを活用し、周囲を養生して粉塵や崩れを最小限に抑える工夫をしています。こうした対策を徹底するようになってから、土壁工事での失敗はほとんどなくなりました。

土壁のエアコン工事は、経験が浅いとどうしても失敗しやすいポイントです。私自身のミス体験を振り返ると、準備不足と油断が原因でした。しかし、その失敗を経て学んだ知識や工夫は、今となっては大きな財産になっています。これから土壁の現場に挑むエアコン業者さんには、ぜひ私の失敗談を教訓にしてもらいたいと思います。特殊な施工だからこそ、しっかりとした準備と丁寧な対応が求められますし、それを実行できる人材は業界でも信頼される存在になれるはずです。


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