エアコンの冷暖房が効かない原因の多くは施工ミスによるガス漏れです。フレア加工の不備、真空引き不足、ナットの締め付け不良など、ガス漏れを引き起こす施工の特徴を詳しく解説し、失敗しない工事のポイントをまとめました。
エアコン工事に携わっていると、「ガス漏れ」というトラブルは避けて通れないテーマです。冷暖房が効かない、室外機の異音がする、運転ランプが点滅するといった症状が出ると、多くの場合その背景には冷媒ガスの漏れが隠れています。では、なぜガス漏れは起きるのか。実はガス漏れが発生する現場には共通する施工の特徴があります。現場ごとに事情は違っても、失敗するパターンは決まっているのです。
まず最も多いのがフレア加工の不良です。銅管をカットした後にバリをしっかり取らず、断面が荒れたままフレアを作ると、接続面に小さな隙間が生まれます。さらに工具の刃先が摩耗していると、きれいな面が作れず、密閉性が落ちてしまうのです。一見すると締め付けは完了していても、数か月後には冷媒がじわじわ漏れて効きが悪くなる。フレア加工の丁寧さは、施工品質を左右するもっとも重要な工程と言えます。
次に挙げられるのがナットの締め付け不良です。人の感覚だけで「このくらいだろう」と締め付けてしまうと、多くは締め過ぎか緩すぎのどちらかになります。締めすぎればフレア部分が割れ、緩ければ隙間が残る。どちらにしてもガス漏れのリスクは高まります。本来であればトルクレンチを用い、メーカーが指定するトルク値で締めることが正しい施工です。ところが繁忙期には効率を優先して手ルクで済ませる現場もあり、それが後のトラブルを招いてしまうのです。
さらに見逃せないのが真空引きの不足です。真空引きは配管内の空気や水分をしっかり抜き取るために必要不可欠な作業ですが、ここを手抜きする業者は意外と多いのが現実です。短時間しか真空ポンプを回さずに終わらせてしまうと、水分が残ったまま運転が始まり、内部で氷や錆が発生します。その結果、冷媒の流れが阻害されるだけでなく、配管や接続部の腐食によってガス漏れが生じるのです。十分な時間をかけ、真空度を確認してから次の工程へ進むことが基本ですが、この“当たり前”を徹底しているかどうかで業者の評価は大きく分かれます。
配管の取り回しや固定の甘さもガス漏れを誘発します。配管を無理に曲げたり、潰すように施工すると、その部分にストレスが集中し、金属疲労によって亀裂が入りやすくなります。外壁や屋外での固定が甘い場合は、室外機の振動や風雨の影響で配管が揺れ、その力がフレア部分に伝わって緩みや隙間を生み出します。施工直後には問題がなくても、数か月から数年後にガス漏れとなって現れる典型的な例です。
リフォームや入れ替え工事で既存配管を再利用する場合も注意が必要です。古い配管は内部に錆や汚れが溜まり、銅自体が脆くなっていることがあります。フレアを作り直しても割れやすく、内部の汚れが密閉を妨げるケースもあります。結果として、施工から1年も経たないうちにガス漏れが発生することも珍しくありません。既存配管を使うとコストは抑えられますが、状態をしっかり確認せずに流用すると後のリスクが高まるのです。
もう一つ大きな問題は、施工後の圧力テストやリークチェックを省略するケースです。本来なら窒素ガスを加圧し、接続部に漏れがないかを確認する工程を行うべきですが、ここを飛ばしてしまうと微細な漏れを見逃してしまいます。施工直後は正常に運転していても、半年や1年後にガスが抜けて冷えが悪くなる。顧客から見れば「工事ミス」と映り、業者への信頼は一気に下がります。
実際の失敗事例を振り返ると、真空引きを数分で終わらせた結果、数日後に冷えが極端に悪化し、室外機に霜が付いたケースがあります。調べてみると配管内に残った水分が凍結し、内部を腐食させていたのです。また、古い配管を再利用した現場では、銅管の劣化でフレア部分に小さな亀裂が入り、1年以内にガス漏れが起きました。どちらも「基本作業を省略したこと」が原因でした。
ガス漏れを防ぐためには、基本を愚直に守るしかありません。フレア加工は常に丁寧に行い、トルクレンチで締め付けを管理する。真空引きには十分な時間をかけ、真空度の安定を確認する。配管は無理なく曲げ、しっかり固定する。既存配管を再利用する際には必ず点検を行い、劣化が見られる場合は交換する。そして最後に必ず圧力テストとリークチェックを実施する。この一連の流れを怠らなければ、ガス漏れは大幅に減らせます。
ガス漏れはお客様の不満やクレームに直結し、業者にとっては再施工の手間やコスト増加を意味します。逆に言えば、ガス漏れを起こさない施工を徹底できる業者は、それだけで信頼を得やすく、長期的に安定した仕事量を確保できます。工事の単価やスピードで競うより、施工品質を武器にする方が結果的に得られるメリットは大きいのです。
エアコン工事におけるガス漏れは、偶然ではなく必然です。ガス漏れが多い施工には必ず共通点があり、そこを改善すれば必ず結果が出ます。協力業者を探している方も、自社の施工品質を高めたいと考えている方も、基本を徹底し安心して任せられる工事を実現することが、今後の仕事の広がりにつながるはずです。
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