エアコン工事の中で、配管の取り回しや勾配、真空引きなどの基本的な技術に加えて、プロとして必ず押さえておきたいのが「ドレン断熱処理」です。あまり表には出ないこの工程ですが、これを怠ると施工不良によるクレームや建物へのダメージに直結する可能性があるため、非常に重要です。
今回は、エアコン工事業者として信頼されるために必要な「ドレン断熱」の意味とその効果、具体的な施工方法、注意点について、実際の現場目線から詳しくお話しします。
ドレン断熱とは何か?
エアコンの室内機では冷房運転中に大量の結露水が発生します。この水は「ドレンホース」や「ドレン配管」と呼ばれる排水経路を通って、屋外や排水口に流されます。しかし、この排水管の中を通る水は、エアコンの内部から出てくるため冷たく、周囲の空気との温度差によってドレン管の外側に結露を生じることがあります。
この“外側に出る結露”が問題で、天井裏や壁の中、床下などで放置されると、建材の劣化・カビの発生・シミ汚れ・最悪の場合は天井崩落につながることもあるのです。このリスクを防ぐために行うのが、「ドレン断熱」です。
なぜドレン断熱が必要なのか?見えないトラブルを未然に防ぐ
断熱材を巻かずに放置されたドレン管は、特に高気密・高断熱の住宅やマンションなどで結露を起こしやすくなります。屋外に設置する部分はあまり問題になりにくいですが、屋内を通るドレン管に関しては、必ず断熱処理を行うべきです。
特に注意が必要なケースは以下の通りです。
- 室内の天井裏を通るルートをとった場合
- ドレン配管が長く、冷気が抜けにくい構造になっている場合
- 天井や壁の中で配管が見えなくなる施工
- 湿度が高い夏場や梅雨の時期
これらの条件が揃うと、目には見えない場所でじわじわと水分がたまり、気が付いたときには天井のクロスに染みが出たり、壁紙が浮いてきたりと、明らかな被害となって現れます。クレームや修繕費の発生はもちろん、顧客からの信頼も失われかねません。
ドレン断熱の施工方法
では、実際にどのようにドレン断熱を行うのか。基本的には以下のような手順になります。
- ドレン配管の確認:室内を通る部分を中心に、結露が発生しそうな箇所を把握します。
- 断熱材の選定:外径に合ったサイズの発泡ポリエチレン製の断熱チューブを用意します。耐候性があるものが理想です。
- 施工開始:ドレン管にチューブを被せ、継ぎ目や曲がり部分に隙間ができないように注意しながら巻いていきます。
- 固定処理:自己融着テープやアルミテープでチューブの端をしっかり固定し、ずれ防止と密閉性を高めます。
- 最終チェック:断熱材に破れや緩みがないか、施工範囲は適切かどうかを確認します。
この工程は、作業に慣れれば10分前後で終わります。しかし、この10分の手間が何万円もの修繕費や信用損失を防ぐことになるのですから、やらない理由はありません。
使用する資材について
一般的に使用されるのは以下のような資材です。
- 発泡ポリエチレン製断熱チューブ(15A、20Aあたり)
- 自己融着テープ(耐水性・耐熱性に優れたもの)
- アルミテープ(仕上げや補強に使用)
また、最近では最初から断熱材が巻かれているドレンホースも販売されており、作業の時短にもなります。ただし、施工現場に応じた柔軟な対応が求められるため、あらかじめチューブを用意しておく方が安全です。
ドレン断熱をすることで得られるメリット
ドレン断熱をきちんと行うことで、次のようなメリットが得られます。
- 結露による建物へのダメージを予防
- トラブル回避によるクレームの防止
- 施工品質の高さによる顧客満足度の向上
- 「細かい部分まで気を配ってくれる会社」という信頼と印象のアップ
- 長期的に見た場合のコスト削減
一見地味な作業かもしれませんが、実はこういった部分こそが、リピーター獲得や紹介案件増加のカギになるのです。
ドレン断熱を「標準装備」にする価値
中には「オプション扱い」にしている業者もありますが、個人的にはこれは標準仕様にして当然だと考えています。というのも、施工の質=会社の評価に直結するからです。
「この業者はちゃんと考えて工事してくれてるな」と思われれば、リピーターにつながる確率は高くなりますし、量販店やハウスメーカーからの評価も上がります。ドレン断熱を習慣化しているかどうかで、現場に対する姿勢そのものが問われると言っても過言ではありません。
まとめ|丁寧な施工が未来の仕事をつくる
エアコン工事において、ドレン断熱は「やらなければならない作業」ではなく、「やっておくべき安心の処置」です。お客様の住環境を守るという意味でも、プロのプライドとしても、こうした見えない部分にこそ力を入れていくべきです。
大きな技術よりも、小さな配慮が次の仕事を呼びます。「エアコン取付は誰がやっても同じ」ではなく、「この会社に頼んでよかった」と思ってもらえるように。ドレン断熱を、当たり前のスタンダードにしていきましょう。
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