エアコン工事の現場において、技術やスピードはもちろん重要ですが、それ以上に求められるのが「安全意識」です。特に高所作業を伴う現場では、ほんの些細な判断ミスが命に関わる大事故へとつながるリスクを孕んでいます。今回は、実際に発生したスライダー(手動昇降機)の転倒事故の事例をもとに、原因や背景、再発防止のためにできる対策について詳しく解説していきます。
実際に発生したスライダー転倒事故とは?
とある現場で起きたのは、エアコン室外機を2階のベランダに搬入しようとした際の出来事でした。作業員はスライダーを用いて、1階から2階へ室外機を持ち上げていました。見た目には何の問題もないように思える現場でしたが、作業途中でスライダーがぐらつき、バランスを崩して倒れてしまったのです。
この事故によって、作業員は転倒し足を骨折。搬入中の室外機も破損し、再配送が必要となるなど、作業の大幅な遅延が発生しました。現場は急遽中止となり、スケジュールの見直しや追加費用も生じることとなりました。
このような事故は、たった一つのミスによって発生します。そして、それが多くの人に影響を与える重大な問題になるのです。
なぜスライダーは倒れてしまったのか?
事故の原因を探っていくと、いくつかのヒューマンエラーが重なっていたことがわかりました。まず一つ目は、スライダーを設置した場所の地盤が軟弱だった点です。スライダーの足元は一見すると平坦に見えましたが、実は片側が柔らかい土で、じわじわと沈んでいたのです。その微細な傾きが、室外機の重量と揺れによって限界を超え、最終的に転倒してしまいました。
二つ目は、作業を一人で行っていたことです。スライダーを使った作業は、本来であれば補助者をつけて、下で支えながら行うのが基本です。しかしこの現場では、時間に追われた中で人手が足りず、一人での作業を選択してしまっていました。この「少しなら大丈夫だろう」という気の緩みが、大きな事故につながってしまったのです。
スライダーを使用する際の基本ルール
スライダーはエアコン工事では非常に便利な道具ですが、その便利さの裏にはリスクも潜んでいます。だからこそ、安全に使用するための基本ルールを徹底する必要があります。
まず大前提として、スライダーの設置場所は必ず水平で硬い地面を選ぶべきです。コンクリートが理想ですが、やむを得ず土の上に設置する場合は、下に板を敷くなどして安定性を確保しましょう。
次に、使用時は必ず二人体制で作業を行うことが原則です。一人が荷物を載せて操作する間に、もう一人がスライダー本体を支えるか、足元や周囲の安全確認を行うことが求められます。
さらに、使用前にはスライダー自体の点検も欠かせません。ネジの緩みや部材の劣化があれば、それもまた事故の原因となり得るため、毎回の点検をルーティン化することが重要です。
安全を確保するためにできること
事故を未然に防ぐためには、機材の扱いだけでなく、作業員一人ひとりの「安全意識」を高めていく必要があります。そのためには、事前の危険予知トレーニング(KY活動)や、安全ミーティングを現場ごとに実施することが効果的です。
また、弊社では協力業者の方々に対しても、現場の環境や施工手順、安全確認の徹底を共有する場を設けています。事故が発生した場合には、速やかに全業者と情報共有を行い、同様の事故を繰り返さないよう努めています。
忙しい時期ほど基本動作が疎かになりがちですが、そういった時期こそ「慣れ」による事故が増える傾向があります。繁忙期でも安全対策を見直し、あらためて初心に立ち返ることが重要です。
協力業者として大切にしたい姿勢
弊社が協力業者を募集するにあたり、最も重視しているのは「安全を最優先に考えられる方」と一緒に仕事をしたいという点です。高収入や自由な働き方といった魅力も確かにありますが、それはあくまで「無事に仕事を終えてこそ」得られるものです。
今後一緒に仕事をしていく中で、現場の安全を守り、周囲と声をかけ合いながら作業ができる方と長く信頼関係を築いていきたいと考えています。
スライダーを含む高所作業の安全は、設備の性能よりも作業員一人ひとりの意識にかかっています。安全を軽視する職人は、どんなに腕が良くても現場にとってはリスクとなります。逆に、安全を何よりも大切にする方は、自然と現場からも信頼され、長く安定した仕事を継続できます。
まとめ:安全は「守る」ものではなく「つくる」もの
エアコン工事において、スライダーは室外機搬入のための強力な武器です。しかし、それが命取りになる危険性も孕んでいます。「今日はなんとなく設置した」「少しぐらい傾いていても大丈夫だろう」といった意識が、重大な事故を引き起こす火種になるのです。
安全とは、現場にある設備が担保するものではありません。現場で働く一人ひとりの心構えと、チームでの声かけ、確認作業によって“つくっていく”ものです。
私たちと一緒に、安全な現場づくりを心がけ、信頼されるエアコン工事業者を目指しませんか?
高所作業を日常的に行うエアコン業界だからこそ、スライダー作業の事故を教訓とし、次の現場に活かしていきましょう。
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