エアコン工事は技術的な面が強く、作業のミスが重大なトラブルに繋がることも少なくありません。
経験豊富な工事業者でも、現場での小さなミスが後々大きな問題になることがあります。
この記事では、実際に業界経験者が直面した失敗事例を紹介し、それを防ぐための具体的な対策を解説します。
同じような失敗を防ぎ、より高い品質の工事を提供するためのヒントにしてください。
1. 室内機の取り付けミス:水平が取れていない
失敗事例
ある経験者の話では、初めてエアコンの取り付けを行った際、室内機の設置が水平ではなかったため、ドレンホースから水が逆流してしまいました。その結果、エアコンから水漏れが発生し、顧客に多大な迷惑をかけてしまったとのことです。
対策
水平器を据付板の指定ヶ所に使用して水平を確認することが何より重要です。室内機の設置時、水平が取れていないとドレンホースが正しく機能せず、排水ができないことで水漏れが発生します。工事の前後に必ず水平器で確認し、水平を保つようにしましょう。また、据付板がしっかりと固定されているかを事前に確認することも忘れずに。
2. 配管の接続ミス:ガス漏れの発生
失敗事例
もう一つよくある失敗として、冷媒配管の接続が不十分であったため、ガス漏れが発生してしまったというケースがあります。業者の中には、配管の接続を急いで行った結果、フレア面がズレてしまい、冷媒ガスが漏れて冷房が使えない状態になりました。
対策
トルクレンチを使用して正確に接続することが重要です。配管の接続は力任せに行うのではなく、適切なトルクで締め付ける必要があります。また、接続後はガス漏れを防ぐために、フレアナットを締めきるまで必ず固定し、真空引きを徹底して行い、漏れがないか確認しましょう。作業の丁寧さがガス漏れ防止のカギです。
3. 室外機の設置場所の選定ミス:通気不良による性能低下
失敗事例
室外機の設置場所に関する失敗もよく聞かれます。例えば、狭いスペースや通気が悪い場所に室外機を設置した結果、空気の流れが悪くなり、エアコンの冷房・暖房性能が著しく低下してしまうというケースです。これにより、お客様から「エアコンの効きが悪い」とのクレームを受けることがあります。
対策
通気性の良い場所に設置することが基本です。室外機は熱交換を行う重要な装置であり、周りに障害物が多いと効率が落ちます。室外機の前後や左右には最低でも20cm以上のスペースを確保し、可能であれば日陰になる場所や風通しの良い場所に設置するよう心掛けましょう。障害物が多いとショートサーキットという現象が起こり、機能の低下や消費電力の増加を招きます。
エアコン本体だけでなく、室外機の設置場所も快適な空調性能に直結します。
4. ドレンホースの取り付けミス:逆勾配による排水不良
失敗事例
ドレンホースの取り付けに関しても、失敗することがあります。例えば、ドレンホースが逆勾配になってしまい、水が排水されず、室内機からの水漏れが発生したケースです。この失敗は特に新人業者さんに多く、ドレンホースの正しい取り付け角度に注意を払わなかったことが原因です。
対策
ドレンホースは必ず勾配をつけて設置し、水がスムーズに流れるようにします。逆勾配にならないよう、ホースが自然に下方に流れるように注意して取り付けましょう。特に建物の傾きや設置場所に影響されやすい場合もあるため、事前に十分な確認が必要です。
5. 電源工事の確認ミス:電力不足による動作不良
失敗事例
あるエアコン業者さんは、エアコン専用の電源が不足していることを見落とし、工事後にエアコンがうまく作動しないトラブルに遭遇しました。特に、古い家屋では電源容量が不足していることがあり、エアコンが正常に作動しなかったり、ブレーカーが頻繁に落ちるという問題が発生しました。
対策
電気容量を事前に確認することが重要です。エアコンは消費電力が大きいため、電力会社との契約を見直す必要がある場合があります。電力容量が心配な場合は、電力会社や知識のある同業者の方に相談しましょう。
6. 騒音問題:室外機の振動対策不足
失敗事例
室外機の設置後、振動が伝わりやすい場所に設置したため、動作時に騒音が発生し、隣接する住居から苦情があったという事例があります。特にマンションやアパートなど、隣人との距離が近い場合、室外機の振動音が大きな問題になることがあります。
対策
防振ゴムを使って振動を抑えることが効果的です。室外機の脚部には必ず防振ゴムを装着し、振動が地面や建物に伝わりにくくする工夫をしましょう。また、隣人や住居の配置を考慮し、なるべく騒音が響かない場所を選んで設置することが大切です。
まとめ
エアコン工事でよくある失敗は、技術や経験不足だけでなく、ちょっとした確認不足や不注意によって発生します。今回ご紹介した事例と対策を参考に、作業の質を向上させ、トラブルを未然に防ぐことが大切です。特に、最初の確認作業をしっかりと行うこと、そして丁寧な作業を心がけることが、成功するエアコン工事のカギです。
分からないことを聞くことは恥ずかしいことではありません。
分からないことを分からないまま作業してしまう方が恥ずかしいことです。
現場での教訓を元に、より効率的で安全なエアコン工事を提供し、顧客から信頼される業者になるための一助になれば幸いです。
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