エアコンの移設や廃棄作業中に 「エアコン爆発」 と呼ばれる恐ろしい事故が稀に発生します。
これは、エアコン室外機のコンプレッサー内部で潤滑油が自然発火し、爆発する現象です。破片が飛散したり、火災が発生したりするなど、被害は甚大です。
一体、なぜこのような恐ろしい事故が起こるのでしょうか?
エアコン爆発の正体:ディーゼル爆発のメカニズム
エアコン爆発の正式名称は 「ディーゼル爆発」 です。これは、コンプレッサー内部で潤滑油が 「ディーゼルエンジン」 と同様のメカニズムで燃焼することで起こります。
通常、エアコンのコンプレッサー内部は密閉されており、潤滑油は酸素に触れることなく安全に機能しています。しかし、エアコンの移設や廃棄作業中に ポンプダウン手順を誤 ってしまうと、大量の空気がコンプレッサー内に混入してしまいます。
この空気が 「発火点」 と呼ばれる高温に達すると、潤滑油が自然発火し、爆発が起こります。これが、エアコンディーゼル爆発の恐ろしいメカニズムなのです。
なぜ近年多発しているのか?
エアコンディーゼル爆発は、以前から稀に発生していましたが、近年 「HFC冷媒」 への置き換えが進んだことで、多発傾向にあると言われています。
HFC冷媒は、従来の冷媒に比べて 「オゾン層破壊物質」 ではないという利点がありますが、 「引火性」 が高いため、ディーゼル爆発のリスクも高くなります。
エアコン爆発の恐ろしい被害
エアコンディーゼル爆発は、以下の被害を引き起こす可能性があります。
- 破片の飛散: 爆発によってコンプレッサーが破裂し、鋭利な破片が周囲に飛散します。
破片によっては、人体に当たって重傷を負ったり、死亡したりする恐れがあります。 - 火災: 潤滑油が引火し、火災が発生する可能性があります。特に、室外機が設置されている場所が可燃物に囲まれている場合、延焼の恐れがあります。
- 建物への被害: 爆発の衝撃で、建物が損壊する可能性があります。
まとめ
エアコンディーゼル爆発は、適切な対策を講じなければ、重大な事故につながる可能性があります。今現在、研修中の方々は、今回紹介した内容を参考に、安全対策を徹底 しましょう。
このブログ記事が、一人でも多くの方がエアコンディーゼル爆発の危険性を認識し、被害を防ぐきっかけとなることを願っています。